よくある失敗話

採血は患者さんに大きな負担をかけるため、なるべく1回で成功したいものです。しかし、失敗するケースも少なくありません。なぜ失敗してしまうのでしょうか。

よくある失敗話

「皮膚をしっかり伸展していない」

針を刺す前に皮膚を伸展してはいるものの、やたらと皮膚を伸展しているなどの理由で上手くできず失敗する場合があります。特に高齢者は皮膚がシワシワで伸展しにくいので、注意が必要です。しっかりと皮膚を伸展して血管を固定させないと針を刺した瞬間に血管が逃げてしまいます。

「選ぶ血管を誤った」

採血はできるだけ太くて柔らかく、弾力性のある血管を選ぶのが一般的ですが、細い血管や硬い血管を選んだり、よく動く血管や血管が分かれているところに穿刺したりして失敗するケースも少なくありません。正確な場所に穿刺することが大切ですが、体型や症状によっては採血が難しい場合があります。例えば、皮下脂肪が多い人は血管も見えにくいので弾力に頼るしかありません。しかし、血管を手探りで探すのは簡単ではないため、慣れていない人や苦手意識がある人にとってはハードルが高くなってしまうでしょう。指先の感触だけを頼りに穿刺しなければならないため、見えにくい血管にあたる回数が多い人は失敗も多く苦手意識を持ってしまうようです。
経験豊富なベテラン看護師でも失敗してしまう、難しい血管もあります。それはとにかく細い血管です。どんなに採血のスキルが高い看護師でも刺すのに限界があるので必要な量が取れないこともあるそうです。反対に、血管ははっきりと見えているのに針があたらない、いわゆる針を近づけると逃げてしまう血管もあります。これは若い人に多いのですが、血管がぷっくりして弾力があるのですぐに逃げ出してしまうのです。躊躇していると失敗してしまうので、しっかりと固定し思い切りよく針を刺すしかありません。

「慌てて針を抜いてしまった」

採血に必死になるあまり、終わった瞬間に慌てて針を抜いてしまう人もいます。しかし、駆血帯をしたまま針を抜いてしまうと静脈が怒張しているので多量に出血してしまいます。最後まで気を抜いてはいけません。

「凝固してしまった」

採血後は血液が固まらないように転倒混和をしなければなりませんが、これを忘れて凝固させてしまった例もあります。血液を凝固させた場合は検査ができないので、再度採血しなければなりません。

「量が少なかった(多かった)」

真空採血管は「生化学検査」「止血」「末血・血糖」「その他」の順番で採血を行います。止血・凝固検査用のスピッツの量は決まっているので、多過ぎ少なすぎてもいけません。そのため、1回目の止血から採血を行うと量が足りなくなることがあります。使用しているメーカーによって順番が異なるので、まずはどのような順番で行っているのかを確認し、それから採血を行うようにしましょう。

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どの血管を選ぶかが大切

血管の走り方は人によって異なります。よく見えない場合は腕の力を抜いて下に下げてもらいましょう。親指を内側に入れて握ってもらうのも有効です。見つかりにくいと焦ってしまいますが、慌ててはいけません。

まずは手順をおさらいしよう

採血に苦手意識を持ってるなら、基本となる手順をおさらいすると安心です。途中途中で手を止めて考えなくていいように、手順を完璧に覚えておくことがポイント。項目ごとの説明もしっかり読んて、ぜひマスターしてください。