どの血管を選ぶかが大切

太い血管がはっきりと見えていれば迷わず刺せますが、血管が見えにくく触れることができない患者さんも少なくありません。そのような場合はどのように採血を行えばいいのでしょうか。

どの血管を選ぶかが大切

採血に適した血管が見つからない時もある

採血が上手くいくかどうかは血管選びにかかっているといっても過言ではありません。採血に適した血管を見つけることができればスムーズにいきますが、「どうやっても血管が見えない」「駆血帯を巻いてから探したのに適した血管が見つからない」ということもあります。そのような時にどうすればいいのか、コツを紹介します。

腕の力を抜いて下げてもらう

採血に適した血管が見つからない時はまず、患者さんに腕をダランと下げてもらってください。心臓より下に下げることで腕に血液が集まりやすくなり、血管の怒張が促進されます。

親指を内側に入れて握ってもらう

親指を内側に入れて握ると腕の筋肉が収縮して血管が怒張しやすくなります。手をグーパーグーパーと握ったり開いたりする方法もありますが、腕に静脈血が停滞しやすくなるものの、筋肉中のカリウムが漏れ出して検査結果に影響する可能性もあるので、おすすめできません。

温め&マッサージ

手首から中心に向かってマッサージしたり、蒸しタオルで温めたりすると血管が怒張するので見つけやすくなります。

駆血帯はきつく締めすぎない

血管が見えないからと駆血帯をきつく締めてはいけません。動脈まで締めてしまうので血流が悪くなり、余計に血管が見えにくくなります。駆血帯は橈骨動脈に触れる程度に締めつけるようにしましょう。

慌てない

血管が見つからないと焦ってしまいますが、焦るとますます見つからなくなります。慌てずにじっくりと両腕の血管を探しましょう。

患者さんに聞いてみるのもおすすめ

何度も失敗すると患者さんにも負担をかけてしまうので思い切って「いつもどの部位から採血していますか」と患者さんに聞いてみるのもおすすめです。特に初対面の患者さんは血管を探すのに時間もかかるため、刺す前に「いつもどちらの手で刺していますか」と確認するとスムーズに進められますし、失敗も防ぐことができます。

軽く叩くことで血管が浮き出ることもある

血管が見つからない時に肘正中皮静脈の部位を指で軽く叩いて血管を浮かび上がらせる方法もあります。看護師の間では有名な方法ですが、これには根拠がありません。ただ、実際に軽く叩いてみると血管が浮き出てくることが多いため、先輩から後輩へと受け継がれているようです。
叩いてはいけない、という根拠もないので、血管が見つからない場合は患者さんが痛くない程度の強さで叩いてみましょう。

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どの血管を選ぶかが大切

血管の走り方は人によって異なります。よく見えない場合は腕の力を抜いて下に下げてもらいましょう。親指を内側に入れて握ってもらうのも有効です。見つかりにくいと焦ってしまいますが、慌ててはいけません。

まずは手順をおさらいしよう

採血に苦手意識を持ってるなら、基本となる手順をおさらいすると安心です。途中途中で手を止めて考えなくていいように、手順を完璧に覚えておくことがポイント。項目ごとの説明もしっかり読んて、ぜひマスターしてください。