採血に苦手意識を持っている人の多くは自信も失っています。落ち着いて取り組めば失敗も防げるはずです。まずはやり方が間違っていないか手順を確認しましょう。
「何のために」「いつ」「誰に」採血を行うのか、医師の指示を確認します。それから採血に必要な備品を準備します。採血に必要なのは駆血帯、血液ストリップ、採血針(21G~23G)、採血ホルダー、アルコール綿、必要な採血管、肘枕、廃棄物を入れる容器、手袋、止血用テープです。
採血をする前に患者さんの氏名を確認し、採血のラベルと照合して間違いがないか確認します。また、何のために採血するのかを患者さんがわかるように伝えます。
確認が終わったら採血するために環境を整えます。スムーズに行うためには位置が重要です。どこに置けば使いやすいのか、動線を考えながら置き場所を検討するといいでしょう。
選択するのは太く、弾力性があり、蛇行していない血管です。はっきり見えていても、穿刺時に血管が逃げてしまうことがあるので気をつけてください。また、筋肉質の人は血管壁が硬いので、穿刺しにくい傾向があります。
駆血帯は穿刺部位から5~10cmほど離れた中心側、心臓に近い方に巻きます。患者さんには親指を内側に入れて軽く握ってもらいましょう。
穿刺部位を確認したら外側に向けて円を描くようにアルコール消毒をします。アルコールにアレルギーのある人もいるので事前にアレルギーの有無を確認しましょう。アレルギーがある場合はアルコール以外の消毒液を使用してください。消毒したら穿刺しますが、すぐに穿刺してはいけません。アルコールが乾いてから穿刺しましょう。
アルコールが乾いたら利き手ではない方の手で穿刺部位の皮膚を引っ張るようにして伸展します。針先の刃を上にして穿刺しますが、穿刺時の針の角度は15~30度です。角度が急すぎると針が血管を突き破り、内出血を起こすことがあるので注意してください。穿刺後、針を少し寝かせて5mm程度進めて固定します。穿刺時に神経症状や痛みがないか確認しましょう。手指にしびれなどが生じた場合は速やかに針を抜いてください。人によっては迷走反射を起こすこともあるので経過をよく観察しましょう。
順番に注意しながら規定量の血液を採取し、終わったら駆血帯を外し、患者さんに手を開いてもらいます。それから針を抜いていきますが、穿刺部位に軽くアルコールを塗布してください。完全に抜いたらアルコール綿を押しつけ、圧迫して止血します。
抜針後の針はそのまま廃棄容器に捨てましょう。
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血管の走り方は人によって異なります。よく見えない場合は腕の力を抜いて下に下げてもらいましょう。親指を内側に入れて握ってもらうのも有効です。見つかりにくいと焦ってしまいますが、慌ててはいけません。
採血に苦手意識を持ってるなら、基本となる手順をおさらいすると安心です。途中途中で手を止めて考えなくていいように、手順を完璧に覚えておくことがポイント。項目ごとの説明もしっかり読んて、ぜひマスターしてください。